fuchigraphy’s blog ~毎日は発見にあふれてる~

気ままにカメラを向けた日常を気ままに記録するページです

雨と蓮と。 ~金性寺にて~

2021.8.15(日)

先週の半ばから降り続く大雨のため、『警戒レベル4相当情報(土砂災害)⚠️』が発令されている上天草市ですが、我が家は千巌山と高舞登山の間に位置するもののそれらからは距離があり、また、海のすぐ傍のため満潮時にはオーバーフローするんじゃないかってくらいの松島港を眺めることはあっても低地ではないので楽観視・・・注意報も警報もどこか“他人事”のような気がするのは否めません。
そんな警報発令下、雨が上がったのを幸いにちょっと出かけてまいりました先は、教良木(きょうらぎ)本郷地区です。 今泉か知十(ちじゅう)辺りで「雨上がりの山と霞」が撮れたらな~と期待したのですが“撮れ高”は「0」、仕方ないのでそのまま車を走らせた、という次第です。

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金性寺参道

さてこちらの「金性寺(きんしょうじ)(※1)」、市のホームページによれば「慶安元年(1648年)に初代代官鈴木重成公が、三代将軍家光の命を受けて開いた曹洞宗の名高い寺。境内の周囲には四国八十八ヶ所霊場の土砂を拝受し88体の本尊石仏を安置した天草新四国八十八ヶ所霊場があります。」という名刹で、雨と仄暗さが幽玄な雰囲気を醸し出しておりました。

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知里の曙

この蓮の花は、「知里の曙(ちりのあけぼの)」という品種で、『金性寺二十四世方丈(※2)の普山(※3)を記念して、東京大学生熊調和農学機構で作出され栽培されていた新品種(アジア系と南北アメリカ系の二種の交配)を譲り受けて移植。花弁先の紅色はアジア系、基付近の黄色みはアメリカ系の形質を受け継いでいる。』(引用:天草探見「金性寺(上天草市松島町教良木)」)ということらしいのですが、そういえば蓮を久しぶりに見たような気がいたします。
ところで「蓮」と「睡蓮」の違い、何とな~く知っているかも~でしたので、ちょいと調べましたのは次のとおり。↓
「蓮」は、「ハス科ハス属の挺水植物(ていすいしょくぶつ/水面から葉を立ち上がらせる植物)」で、茎があり水面より高いところで花が咲きます。
「睡蓮」は、「スイレン属の浮葉性植物(ふようせいしょくぶつ/水面に葉を浮かべる植物)」で、水面に浮かんでいるように花が咲きます。

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睡蓮

花を咲かせる場所が違い、また、花弁の形も「蓮=丸み」「睡蓮=細い」という特色があるようですね。 そして蓮の花は、早朝に咲き始め午後には閉じていくというのを3日~4日繰り返し、最後の日は閉じることなく花びらが散ってしまうというもののようですから、鑑賞は早朝がオススメということになりますね。

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花托

花が落ちたあとの「蜂の巣」状の見た目から「ハチス」と呼ばれ「ハス」に転じたということのようですが、真ん中にドーンと存在感十分な黄色い部分は「花托(かたく)」や「花床(かしょう)」と呼ばれ、そこにポツポツと出ているのが「雌蕊(めしべ)」、そしてその周りを囲むように伸びている先の曲がった爪楊枝のようなものが「雄蕊(おしべ)」ですが、見たとおり「雄蕊」は「雌蕊」には届きませんので香りで虫を誘い込み受粉をしてもらっているそうです🐝
そして受粉に成功したら蜂の巣を思わせるあの印象深い姿になる、という次第ですが、花弁が落ちて果実を抱えているものは「果托(かたく)」と呼ぶそうで、同じ「かたく」という読みながら形態には随分違いがあるんですね。

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あの印象深い姿の手前

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本日の「金性寺」の池には「花托」になった「蓮」が目立ちましたが、それでもまだ幾つかの蕾が咲く準備を整えておりましたので、静寂な時と可憐な花との出会いを求め足を運んでみては如何でしょう。 えぇ、少し早めの時間に。
・・・などと書いたものの、春に教良木川の桜を撮りに来た際「次はちゃんと撮りに来よう」と心に決めたにも拘わらずそれっきりでしたので、雨の中で訪問した今回は「次はちゃんと撮りに来ようマジで」と心に決め、強くなった雨足に促され帰路につきました🚗💦

kami-amakusa.hatenablog.jpそれにしても、いつもなら撮りに出ない雨のなか気の向くまま出かけたお陰で有意義な時間を過ごせたのは、防塵防滴仕様の「FUJIFILM XF18-135mm F3.5-5.6 R LM OIS WR」や「FUJIFILM XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR」のお陰さま。 ・・・でも「FUJIFILM XF10-24mm F4 R OIS」は旧モデルのため雨には弱かったのを忘れてましたので帰宅後にアタフタと防湿庫に格納しました💦 おしまい。

 

※1:金性寺は、正式には「淘汰山金性寺」と呼ぶらしく、この「〇〇山」と冠するのには、次のような理由がある。
 空海(弘法大師)や最澄(伝教大師)が民衆救済に行脚していた平安時代、人里離れた地で修行を重ねる「山岳仏教」が流行る様になり、それまで「権力者の象徴」であった寺院から「出家者のための寺院」へと変化した。このため、街中にあった寺院から日本古来の「山岳信仰」と結びつき、山の中に寺院が建立されるようになった。それ以降、出家者は俗世とは離れた場所(山)で生活するようになり、寺院は山に建てられるようになった。有名な寺院では空海の建立した高野山金剛峯寺、最澄の建立した比叡山延暦寺があり、後世に建てられるお寺は、そこが修行の場・仏道の場であることを示すために山号を名付けた。
※2:方丈(ほうじょう)とは、住職の居室のことで、転じて、その居室にいる人という意味から「住職」の別称にあたる。また、新たに住職となった僧を「新命方丈」という。
※3:普山(しんざん・しんさん)とは、「住職交代式」のこと。各寺院において新命方丈が、その寺院に晋む(=進む)ことで、禅宗寺院は多く山間部にあって山号(=○○山)を持ち、そして、寺院を山とも呼ぶことから「山に晋む」と書いて「晋山」としている。

 

参考サイト
方丈・普山について:曹洞禅ネット(https://www.sotozen-net.or.jp/ceremony/special/shinsanshiki
蓮・睡蓮について:優しい雨(https://pino330.com/archives/5765